皆さんは歯科のメンテナンスを受けていますか?メンテナンスは、むし歯や歯周病の治療のために受けるのではなく、それらの予防が主な目的となります。これは皮膚科や内科といったその他の診療科ではあまりないパターンなので、通院の必要性を感じていない人も多いようです。そこで今回は、歯科のメンテナンスを定期的に受けることで得られるメリットを愛知県の日進かぐやまデンタルクリニックがわかりやすく解説をします。
▼歯の予防に寄与するメンテナンス
歯科のメンテナンスは、歯や歯茎に異常がないかをチェックするために行われます。一般的には定期検診とも呼ばれるもので、3ヵ月以上の期間をあければ、保険診療で受けられます。ちなみに保険診療のメンテナンスでは、次のような処置を実施します。
・口腔内診査
・歯周組織検査
・歯のクリーニング
・ブラッシング指導
保険診療のメンテナンスでは、この中でも歯周病の予防や早期発見に力を入れています。本来、健康保険は歯の予防処置に対して適用されないのですが、歯周病の予防や早期発見、あるいは病状の安定という目的で行われる処置に関しては、例外となっています。実際、保険診療のメンテナンスを受けた経験がある方は、歯周組織検査に多くの時間を割いていることをご存知でしょう。歯と歯茎の境目にある歯周ポケットの深さを丁寧に測定し、出血の有無などを調べます。なぜ国はそれほどまでに歯周病の予防に力を入れているのか?それは歯周病が極めて危険な病気だからです。
▼歯周病が危険である理由
歯周病は、歯を支える歯茎や歯槽骨が破壊される病気で、最終的には歯そのものを失うことになります。歯を失うと、ブリッジや入れ歯、インプラントといった補綴治療を行わなければならず、ケースによっては失った歯1本あたり数十万円の費用がかかるのです。同時に、歯を失ったことによって全体の噛み合わせのバランスが崩れて、さらなる歯の喪失を招きやすくなります。
しかも歯周病を放置して重症化させると、心筋梗塞・脳梗塞・誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)・糖尿病・アルツハイマー型認知症などの全身疾患を誘発することもわかっています。これらの病気は、時に命を失うだけでなく、治療の過程でも高額な医療費が発生することから、家計を大きく圧迫する原因にもなるのです。そうした点も踏まえて国は歯周病の予防を徹底しましょうと訴えかけているのです。
▼メンテナンスで生涯医療費を軽減しましょう
このように歯科のメンテナンスというのは、歯周病やむし歯の予防を主な目的として予防歯科の領域に分類されますが、単に風邪や胃腸炎を予防することとは大きく異なります。なぜなら風邪や胃腸炎を患ったとしても、2~3日の休養が必要になるだけで、身体に深刻な症状が起こったり、後遺症が残ったりすることはあまりありません。治療にかかる費用もそれほど高額になることはないでしょう。
一方、歯周病やむし歯は一度発症してしまうと自然に治ることがなく、放っておけば着実に進行していきます。歯周病治療やむし歯治療でたくさんの費用がかかることに加え、全身の健康まで害してしまうと生涯医療費も雪だるま式に膨れ上がります。
もちろん、歯科のメンテナンスでも必ず費用が発生しますが、健康保険の範囲内であれば、3割負担で1回あたり3,000円程度。3~4ヵ月に1回の頻度でメンテナンスを受けたとしても、年間9,000~12,000円程度しかかかりません。それによって高額な医療費がかかる歯科治療や全身の病気の治療を回避できるのであれば、コストパフォーマンスに優れているといえます。
▼自分の歯で噛める喜びはプライスレス
ここまでは、歯科のメンテナンスを継続的に受ければ、生涯医療費の軽減につながることを解説しました。短期的に考えると、1回3,000円程度のメンテナンスが不要な出費に思えるかもしれませんが、長期的な視野に立つと、それが経済面において大きなメリットをもたらしてくれます。そしてもう一つお伝えしておきたいのがメンテナンスや歯の予防によって天然歯を残せるメリットです。
現在は、歯を失っても歯根から回復できるインプラント治療が普及していますが、残念ながら本物の歯にはかないません。どんなに進歩した医療技術でも、天然の歯根と歯根膜を忠実に再現することはできないのです。天然歯にはそれくらい高い価値があることを把握しておきましょう。自分の歯で噛める喜びは何にも代えがたいのです。
▼まとめ
今回は、歯科のメンテナンスで生涯医療費を軽減できることについて、愛知県の日進かぐやまデンタルクリニックが解説しました。歯科のメンテナンスを定期的に受けて、歯の予防を徹底していれば、歯周病やむし歯に悩むことがなくなります。その結果、歯科治療や全身の病気の治療にかかる費用を軽減できるのです。また、健康な歯や歯茎を維持できれば、70歳や80歳になっても自分の歯で噛める喜びを享受できますので、皆さんも積極的に予防歯科のメンテナンスを受けていきましょう。