むし歯は細菌感染症の一種であることから、風邪やインフルエンザなどと同じように人から人へと移ります。
特に注意が必要なのが一緒に生活している親御さんからの感染です。それはさまざまな統計からも明らかで、歯科医師は昔から親から子どもへのむし歯の感染リスクに警鐘をならしています。
そこで今回は、子どものむし歯が親から移る原因と対象について、愛知県の日進かぐやまデンタルクリニックがわかりやすく解説をします。
目次
▼子どものむし歯が親から移る原因
生まれたばかりの赤ちゃんは、お口の中にむし歯菌が存在しません。それがいつしかむし歯菌が住み着くようになるのですが、その感染源は主に食事などをともにしている親御さんとなります。
例えば、食べものを口移しで与えたり、キスなどのスキンシップをはかったりする際に、親御さんの唾液を介してむし歯菌がお子さんへと移るのです。もちろん、親御さんのお口の中にむし歯菌がまったく存在していなければ、お子さんに感染が広がることはありませんが、その可能性はほぼゼロに近いといえます。
▼感染の窓が開く時期をご存知ですか?
子どものお口の中には「感染の窓」が開く時期があります。具体的には、1歳7ヵ月から2歳7ヵ月までの1年間で、この時期は乳歯が1本また1本と生えそろっていくのですが、歯並びや噛み合わせが安定せず、歯磨きも適切に行えない時でもあるので、むし歯菌が口腔内に定着しやすくなるのです。
この1年間にむし歯予防を頑張ることが、その後のお子さんの人生を大きく左右することも。最近の研究では、もう少し早い時期から口腔内の細菌叢(さいきんそう:たくさんの細菌が住み着いている様子)が確立されるという結果も出てきているため、歯が生え始めた頃からむし歯予防を徹底することが推奨されます。
▼子どもにむし歯を移さないために
このように、むし歯は親から子どもに移すリスクがあるため、少なくとも乳歯が生えそろうまでは、感染予防に力を入れる必要があります。具体的には、次の方法で対処しましょう。
【対処法1】口移しで食事を与えるのを控える
食事中に親が口移しで食べ物を与える行為は、むし歯菌が子どもに移るリスクを高めます。むし歯菌は唾液を介して感染するため、このような食事の仕方は避ける方が望ましいです。
特に1歳半から2歳半までの時期は、子どもの口の中がまだ成長途中で、むし歯菌の感染に対して抵抗力が弱いため、注意が必要です。
【対処法2】食器や歯ブラシを共有しない
親と子どもで食器や歯ブラシを共有することで、唾液を介してむし歯菌が移る可能性が高まります。専用の食器や歯ブラシを用意し、それぞれが使うようにすることが大切です。この習慣をつけることで、むし歯菌の感染リスクを下げることができます。
【対処法3】唾液を介したスキンシップを控える
赤ちゃんや小さな子どもに対して、親が愛情表現としてキスをすることがありますが、唾液を介してむし歯菌が移る可能性があります。特に口周りへのキスは控えるようにし、ほかの形でスキンシップを図ることをおすすめします。これにより、子どものむし歯リスクを減らすことができます。
【対処法4】親がむし歯予防を徹底する
親御さん自身がむし歯予防をしっかり行うことも大切です。むし歯菌は家庭内で広がりやすいため、親が日頃から歯のケアを徹底することで、子どもへの感染リスクを下げることができます。具体的には、定期的な歯科検診や適切なブラッシング、フッ素を使ったむし歯予防などが効果的です。
これらの対策を少なくとも1歳半から2歳半までは継続し、子どものむし歯予防に努めましょう。早い段階でむし歯菌の感染を防ぐことが、将来の健康な歯の基礎となります。
▼子どものむし歯予防で疑問があれば当院まで
愛知県の日進かぐやまデンタルクリニックは、予防診療や小児歯科にも力を入れている歯医者ですので、お子さんのむし歯予防で疑問や不安があればいつでもお気軽にご相談ください。乳幼児期はお子さんのお口の中が劇的に変化する時期でもあるため、年齢や発育状況に応じた、きめの細かいケアが必要となります。
▼まとめ
今回は、子どものむし歯が親から移る原因と対処法について、愛知県の日進かぐやまデンタルクリニックが解説しました。
ほぼ無菌状態で産まれてくる赤ちゃんのお口の中には、いつからかむし歯菌が住み着くようになりますが、そのきっかけは一緒に生活しているご家族であることが多いです。逆にいうと、ご家族がむし歯予防を徹底し、お子さんに移さないよう努めることで、子どものむし歯菌への感染リスクは大幅に減らせるといえるのです。
お子さんが将来、むし歯で悩まされないためにも、今日から親御さんが適切な方法で対処していくことをおすすめします。