妊娠中は、お腹の赤ちゃんの発育や健康を考えなければならないため、医療行為にさまざまな制約がかかります。それは歯科診療も例外ではありません。特に歯科ではいろいろな場面でレントゲン検査を行うため、赤ちゃんへの影響が心配なお母さんも多いことでしょう。
そこで今回は、妊娠中に歯のレントゲン検査をしても問題ないのかどうかについて、愛知県の日進かぐやまデンタルクリニックがわかりやすく解説をします。
目次
▼妊娠中でも歯のレントゲンは受けられます
結論から言うと、妊娠中に歯のレントゲンを受けても、お母さんはもちろんのこと、お腹の中の赤ちゃんにも悪影響が及ぶことはまずありません。その理由は後段で詳しく解説します。
▼妊娠中の歯のレントゲンが安全な理由
妊娠中の歯のレントゲン撮影が安全な理由としては、以下の3つが挙げられます。
【理由1】X線はお口の周りだけに当たる
一般的なレントゲンは、胸部や腹部など、広範囲に渡ってX線が照射されますが、歯科のレントゲンはお口の周りだけにとどまります。
とりわけ「デンタル」と呼ばれる撮影手法は、治療する歯の周りだけにX線を照射することから、そもそも首から下が被ばくするリスクがゼロに近いのです。これは歯のレントゲンの特徴といえます。
【理由2】X線の防護服を着用する
これまでに歯のレントゲン検査を受けた経験がある方ならご存知かと思いますが、デンタルやパノラマといったレントゲン撮影を行う際には、X線防護服を着用します。これは鉛で作られていて、X線を遮断する効果が期待できます。
妊娠中の女性の場合もお腹の部分までしっかりとガードする防護服を着用するため、レントゲン撮影を行ってもお腹の赤ちゃんが被ばくすることはないといえます。
つまり、歯のレントゲン検査は、X線の照射部位が口腔周囲に限定されていることと、お腹を鉛製の防護服でしっかり守れるという2重の意味で、妊娠中でも安心して受けられるといえるのです。
【理由3】歯のレントゲンは被ばく量が少ない
妊娠中に歯のレントゲンを受ける方に、もうひとつ安心材料を提供しておきます。それは歯のレントゲン検査の被ばく量が他のレントゲン検査よりも少ないという点です。
例えば、一般的な胸部レントゲンの集団検診では、1回あたり「0.05ミリシーベルト」の被ばくを伴いますが、治療する歯の周囲だけを撮影するデンタルの場合は被ばく量が「0.01ミリシーベルト」にとどまります。
上下の歯列全体を撮影するパノラマの場合でも被ばく量は「0.03ミリシーベルト」程度であることから、皆さんがよく撮影している医科のレントゲン撮影より体への影響が少ないことがわかります。
ちなみに、宇宙や大地、食物から受ける自然放射線の被ばく量は、1年あたり「1.5ミリシーベルト」となっています。つまり、私たちはレントゲン検査やCT検査などを受けていなくても、毎年それなりの量の被ばくを自然界から受けているのです。
デンタルと比較した場合は、50倍くらい被ばくしていることを踏まえると、歯のレントゲン検査が安全であるとおわかりいただけるかと思います。
▼妊娠中の歯のレントゲンは安定期がおすすめ
妊娠期は、初期・中期・後期の3つに大きく分けられます。このうち歯のレントゲンや歯科治療に向いているのは、安定期にあたる妊娠中期です。
妊娠初期と妊娠後期は、母子ともに不安定な状態となることから、歯科診療は可能な限り控えた方が望ましいです。もちろん、緊急を要する症状が出ているような場合は、妊娠初期や妊娠後期でも処置を受けられることもありますので、まずは主治医に相談してみましょう。
▼それでも不安がある方へ
このように、妊娠中でも歯のレントゲン検査を行うことは十分可能です。それでもなお妊娠中の歯のレントゲン検査に不安な点がある方は、いつでもお気軽に愛知県の日進かぐやまデンタルクリニックまでご相談ください。
当院では、妊娠中の女性でも安心して受けられる歯科診療を提供しております。妊娠中の女性の体調や心理をよく理解した歯科医師、歯科衛生士がきめ細かく対応いたしますので、むし歯や歯周病、妊娠中の口腔ケアにお悩みの方はご連絡ください。
▼まとめ
今回は、妊娠中に歯のレントゲン検査を受けても大丈夫なのかどうかについて、愛知県の日進かぐやまデンタルクリニックが解説しました。
歯のレントゲン検査は、
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X線の照射部位が口腔周囲に限定されている
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撮影時にはX線を遮断する鉛製の防護服を着用する
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歯のレントゲンはそもそも被ばく量が少ない
などの理由から、妊娠中でも安全に受けることができます。
特に妊婦さんの体が安定する妊娠中期は、歯のレントゲンや歯科治療で大きなリスクを背負うことはなくなります。その他、妊娠中の歯の治療などで疑問に感じることがあれば、お気軽にお問い合わせください。