インプラントが原則として保険適用外となることは、皆様もよくご存知かと思います。
インプラントは、失った歯の治療法として選択肢のひとつとなるもので、特別な医療機器が必要になったり、高額な原材料費のパーツを使用したりするため、基本的に自費診療となります。
そこで気になるのがインプラント治療における医療費控除です。インプラント治療で医療費控除だけでも利用できれば、費用負担を軽減することが可能となります。
今回はそんな歯をインプラントにした場合の医療費控除について、愛知県の日進かぐやまデンタルクリニックがわかりやすく解説をします。
目次
■インプラントは医療費控除の対象になる?
結論から言うと、インプラント治療は医療費控除の対象になります。この点を意外に思われる方も多いかもしれませんが、今回のテーマであるインプラント治療に加えて、歯列矯正やセラミック治療も対象となっています。
ただし、審美性の向上を主な目的としたインプラント治療は、医療費控除の対象外となりますので、その点はご注意ください。
◎審美目的のインプラント治療とは?
インプラントは、何らかの理由で抜けた、あるいは抜かざるを得ない歯を補うための治療です。
つまり、患者様ご自身が望まない理由で歯を失った歯を補うためのインプラント治療であれば、基本的に医療費控除の対象となりえます。
なぜならこうしたケースは、失った歯の機能をインプラント治療で取り戻すことが第一の目的となるからです。
一方、今現在使っている天然歯に何ら問題がなく、歯の色や形、生え方などを美しくしたいという理由だけでインプラント治療を行う場合は、医療費控除の対象外となる可能性があります。
■そもそも医療費控除とは?
医療費控除とは、1年間に支払った医療費の総額が10万円を超えた場合に利用できる公的な制度で、インプラントを始めとした歯科の治療だけでなく、耳鼻科や皮膚科、内科などで支払った医療費も申請できます。
しかも世帯主に加えて、生計を一にする家族の医療費も併せて計上できるため、ケースによってはかなりの額の所得税および住民税の控除が受けられるでしょう。
ちなみに、インプラント治療の全国的な費用相場は、1本あたり30~50万円程度なので、インプラントだけでも医療費控除は対象となるのです。
■インプラント治療で医療費控除の対象となる費用
インプラント治療は、ブリッジや入れ歯といった従来法とは異なる点が多く、診療プロセスも複雑です。そのためインプラント治療にかかった費用のどこまでが医療費控除の対象となるのか疑問に感じている方も少なくないことでしょう。
◎インプラント治療にかかる費用について
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カウンセリング(初診相談)
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精密検査
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診断と治療計画の立案
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インプラントの埋入手術(インプラント体の費用も含む)
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アバットメントの装着手術(アバットメントの費用も含む)
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上部構造の製作、装着
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メンテナンス
インプラント治療の流れを大まかに説明すると上記の通りになります。この過程で発生する費用は、基本的に医療費控除の対象となります。それに加えて、以下の費用に関しても医療費控除の対象となるのが基本です。
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通院のための交通費(バスや電車を利用した場合)
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治療期間中の薬剤費(痛み止めや腫れ止めなど)
自家用車やタクシーで通院した場合のガソリン代や運賃は、医療費控除の対象外となるため注意が必要です。
■歯をインプラントにした時の医療費控除の利用方法
失った歯をインプラントにした場合は、確定申告の際に医療費控除の申請を行う必要があります。申請時には、所得税の確定申告書に「医療費控除の明細書」を添付する必要がありますので、あらかじめ余裕を持って準備しておきましょう。
医療費を支払った際の領収書は、確定申告で提出する必要はありませんが、税務署から提示を求められる可能性があるため、少なくとも5年間は大切に保管するようにしてください。
医療費控除の申請期間は確定申告と同じく、2月の中旬から3月の中旬と決まっています。厳密な日時は年度によって変わるため、詳細については税務署のホームページでご確認ください。
■まとめ
今回は、歯をインプラントにした場合の医療費控除について、愛知県の日進かぐやまデンタルクリニックが解説しました。インプラントは、審美性の向上だけを目的とした治療以外であれば、基本的に医療費控除の対象となります。
その他の医療費と合わせて大きな額が軽減できる可能性もあるため、インプラント治療を受けた方はぜひご活用ください。