
皆さん、こんにちは。愛知県の日進かぐやまデンタルクリニックです。
インプラント治療は、失った歯を補い、天然歯のようにしっかりと噛める機能と自然な見た目を再現できる治療法です。
しかし、顎の「骨が薄い」「骨が足りない」場合には、治療が難しくなることがあります。以前は骨量が不足している方はインプラントができないケースもありましたが、近年は「骨造成(こつぞうせい)」と呼ばれる再生治療により、骨が少ない方でも治療を行えるようになっています。
本記事では、骨が薄い症例とその対応方法について解説します。
目次
■インプラントで骨が薄い症例とは?
◎「骨が薄い」という状態について
インプラント治療では、人工歯根となるパーツを顎の骨に埋め込みます。そのため、十分な「骨の高さ」と「厚み」がないと、インプラントが安定せず、長期的な使用に支障をきたすことがあります。
たとえば、上の顎骨の厚みが3mm以下の場合、インプラント体を完全に埋め込むことができず、上部構造(人工の歯)に力が加わると、破損や脱落のリスクが高まるだけでなく、上顎洞(上の歯の上部にある空洞)に対して深刻なダメージを与えかねないため十分な注意が必要なのです。
◎骨が薄くなる原因
骨が薄くなる要因はいくつかあります。
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歯を失ってからの経過時間
抜歯後、歯を支えていた骨(歯槽骨)は噛む刺激を失い、時間とともに吸収されていきます。半年〜1年で大きく骨量が減少することもあります。
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歯周病の進行
歯周病は重度まで進行すると、骨を溶かす病気です。長期に放置すると骨の量が減少します。
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外傷や炎症
事故や重度の感染によって骨が失われることもあります。
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先天的な骨の形態
もともと骨が薄い体質の方も一定数いらっしゃいます。
◎骨が薄いと起こる問題
骨が薄いと、以下のようなリスクが考えられます。
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インプラントが安定せず脱落するリスクがある
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神経や副鼻腔(ふくびくう)を損傷するリスクが高まる
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噛む力に耐えられず、上部構造(人工歯)が破損する可能性がある
このような場合でも、適切な骨造成を行うことで治療が可能になるケースがあります。
■インプラントで骨が薄い場合はどうする?
◎骨造成を行う
「骨造成」とは、骨が不足している部位に人工骨や自家骨を移植し、骨を再生・増やす治療法です。骨がしっかり再生すれば、通常と同様にインプラントを埋入できます。
主な方法として、GBR法(骨誘導再生法)、ソケットリフト、サイナスリフトなどがあります。
◎代表的な骨造成法①GBR法(骨誘導再生法)
骨が部分的に足りない箇所に人工骨を補い、特殊な膜で覆って骨の再生を促す方法です。骨が再生するまで数ヵ月待つ必要があります。
◎代表的な骨造成法②ソケットリフト・サイナスリフト
上顎奥歯の骨が薄い場合に行う治療です。上顎洞(副鼻腔)の底を持ち上げて骨補填材を入れ、インプラントを埋めるスペースを確保します。
いずれも患者様の骨量や部位によって適切な方法を選択します。骨造成はやや時間を要する治療ですが、将来の安定性を確保するために重要なステップです。
◎骨造成の目的とは?
骨造成の目的は、単に「骨を増やす」ことではなく、「インプラントが長期的に安定し、安全に機能するための環境を整える」ことです。骨が十分に再生すれば、天然歯に近い噛み心地や見た目を実現できます。
■当院はインプラントの難症例にも対応
◎骨造成を伴う治療には高度な技術が必要
骨造成を含むインプラント治療は、通常の埋入手術よりも高い専門性が求められます。骨の厚み・高さ・密度をCTで三次元的に解析し、神経や血管の位置を正確に把握する必要があるのです。また、骨補填材や膜の選択、再生期間の管理など、豊富な経験と知識が必要です。
◎当院での取り組み
日進かぐやまデンタルクリニックでは、CT撮影による精密な診査・診断を行い、患者様一人ひとりに合わせた治療計画を立案しています。
骨が薄い・骨がないと他院で断られた方でも、骨造成を併用することでインプラント治療を実現できる場合があります。また、治療後のメンテナンスや骨の経過観察も丁寧に行い、長期的に安定した噛み合わせを目指しています。
■まとめ
骨が薄い・足りないといわれた方でも、現在では骨造成によりインプラント治療が可能になるケースが増えています。
日進かぐやまデンタルクリニックでは、CTによる精密検査と専門的な技術で、難症例にも対応しています。骨量が不足していても、諦めずに一度ご相談ください。適切な方法をご提案いたします。
