むし歯は、歯を失う原因のひとつとなる病気ですが、どの段階まで進行すると抜歯が必要となるのか気になるところです。

むし歯を長年放置してしまって、もう手遅れかもしれないと諦めている方も少なくありません。また、進行したむし歯では、治療に伴う痛みが強そうで不安という方もいらっしゃることでしょう。

そこで今回は、むし歯の進行度別の治療と痛み、抜歯が必要になる症状について愛知県の日進かぐやまデンタルクリニックがわかりやすく解説をします。

■むし歯の進行度の指標について

むし歯の進行度には、専門的な指標があるのをご存知でしょうか？おそらく皆さんも歯科治療中に一度は耳にしたことがある「CO（シーオー）・C1・C2・C3・C4」がそれに当たります。それぞれ次のような意味があります。

• CO（初期のむし歯）

• C1（歯の表面のエナメル質のむし歯）

• C2（歯の内部の象牙質のむし歯）

• C3（神経まで感染が広がったむし歯）

• C4（歯冠がボロボロのむし歯）

イメージとしては、歯の頭の部分の歯冠が徐々に溶けていき、その中にある歯の神経が侵され、最終的には歯根だけになります。これを機会にむし歯が5つの段階を経て進行していくことを理解しておきましょう。

■むし歯の進行度別の治療と痛み

むし歯治療とそれに伴う痛みは、進行度によって変わります。

【CO】フッ素塗布＋ブラッシング指導

むし歯治療の痛み：ほぼなし

COは、歯の表面に穴が開いておらず、白いシミがあるだけの状態なので、歯を削ることはまずありません。フッ素塗布で歯の再石灰化を促し、適切な歯みがきができるようブラッシング指導を行います。

当然ですが麻酔注射も行わないため、COのむし歯治療に伴う痛みはほぼありません。

【C1】歯を削る＋コンポジットレジン充填（CR充填）

むし歯治療の痛み：ほとんどない

C1は、歯の表面を覆うエナメル質内にとどまる比較的進行度の浅いむし歯なので、歯を削る量も少ないです。

エナメル質には歯の神経が分布してないことから、多くのケースで麻酔注射なしのむし歯治療を行います。歯を削った穴にはコンポジットレジンを充填し、光で固めたらむし歯治療は終了です。

【C2】歯を削る＋コンポジットレジン充填or詰め物or被せ物

むし歯治療の痛み：少しある

C2は、むし歯が歯の内部の象牙質にまで進行していることから、歯を削る量はやや多くなります。

また、象牙質には歯の神経が一部入り込んでいるため、むし歯治療の際には局所麻酔が必要となります。この局所麻酔は、注射針を歯ぐきに刺す時や薬液を投与する時に痛みを感じやすくなっています。

ちなみに、日進かぐやまデンタルクリニックでは痛みの少ない麻酔処置を心がけております。詳細については「痛みに配慮したむし歯治療を実現する「麻酔」の種類や工夫について」をご覧ください。

むし歯に感染した歯質を削った後は、コンポジットレジン充填か詰め物、被せ物で修復します。

【C3】歯を削る＋神経を抜く＋根管治療・被せ物

むし歯治療の痛み：やや強い

C3は、むし歯が歯の神経まで進行しているので、歯を削った後に神経を抜く処置が必要となります。これらは局所麻酔下で行われますが、処置の性質上、むし歯治療に伴う痛みはやや強くなります。

歯の神経を抜いた後の根管治療も、処置中および処置後に特有の痛みが生じる点に注意が必要です。根管治療が終わったたら、土台を作って被せ物を装着します。C3のむし歯で抜歯が必要となるケースは少ないです。

【C4】根管治療or抜歯

むし歯治療の痛み：やや強い

C4は、歯ぐきより上の歯冠がボロボロになり、歯根だけが残っている状態であるため、歯を残せないことが多いです。つまり、むし歯の治療方法としては、抜歯が提案されやすいです。

C4まで進行したむし歯の抜歯は、歯冠がほとんど残っていないので、通常の抜歯よりも難易度が高く、治療時間も長くなりやすいです。そのため患部への負担が大きくなり、治療後の痛みが強く現れやすい点に注意しましょう。

そんなC4でも状態が比較的良かったり、高度なむし歯治療に対応した歯科医院であったりする場合は、抜歯せずに根管治療で治せることもあります。

C4まで進行したむし歯で抜歯を行った場合は、その後にブリッジや入れ歯、インプラントなどの補綴治療を受ける必要があります。補綴治療に伴う痛みはケースによって大きく変わるため、不安な方は事前に確認しておくことをおすすめします。

■まとめ

今回は、「むし歯はどこまで進行すると抜歯が必要になる？」という疑問にお答えしました。むし歯で抜歯が必要になるのはC3以降で、多くの場合はC4です。

逆に言うと、むし歯という病気は末期に至るまで抜歯を回避することができるのです。また、むし歯は進行度が浅いほど、治療に伴う痛みも少なくなることから、早期発見・早期治療に努めることが大切です。

そんなむし歯の症状にお悩みの方は、いつでもお気軽に愛知県の日進かぐやまデンタルクリニックまでご相談ください。当院では痛みに配慮したむし歯治療を行っております。