インプラントは、患者様の満足度が高い治療法です。それは失った歯を歯根から回復できることが深く関係しています。
歯を失う前と同じように噛めるだけでなく、見た目も自然で美しい仕上がりに近づけることができるため、驚かれる方がほとんどです。そんなインプラントはできれば一生涯使い続けたいですよね。
そこで今回は、インプラントの寿命と長持ちさせるための方法を愛知県の日進かぐやまデンタルクリニックが詳しく解説をします。「インプラントは何年くらい持つの?」という疑問を持っている方はこのコラムを参考にしてみてください。
目次
▼インプラントの平均的な寿命について
歯科で治療した補綴物などには、おおよその寿命あります。保険診療で作った入れ歯は4~5年程度、ブリッジで治療した場合は、7~8年程度が寿命と言われています。
患者様の口腔ケアやメンテナンスの状況によっては、これよりも寿命が短くなることも珍しくありません。
一方、インプラントの平均的な寿命は、10~15年程度と言われています。この数値だけを見ても、インプラントは入れ歯の2~3倍、ブリッジと比較した場合でも2倍程度の寿命があることがわかります。
ただし、これはあくまでインプラントの平均的な寿命です。臨床的な感覚では、さらに長い期間インプラントを使い続けている方がたくさんいらっしゃいます。そもそもインプラントには「5年~10年保証」が付いていることがほとんどなので、丁寧に使用していれば大きな問題もなく使い続けられることが多いのです。
◎過去には一生涯使い続けた症例も
歯科のインプラントが実用化されてからはまだ半世紀くらいしか経過していませんが、黎明期に受けた患者様の中には、お亡くなりになるまで40年以上使い続けた症例が確認されています。
医療技術が今ほど発達していない時期での症例なので、これからインプラントを使い始める人は、メンテナンスやセルフケアを行うことで生涯使い続けることも可能かもしれません。そこで是非とも知っておいていただきたいのがインプラントを長持ちさせる方法です。
▼インプラントを長持ちさせるポイント
インプラントの寿命を少しでも延ばしたい、70代や80代になっても使い続けたいという方は、以下のポイントに注意しましょう。
【ポイント1】定期的なメンテナンスは必須条件
インプラントの寿命を延ばす上でまず意識しなければならないのが、メンテナンスの受診です。メンテナンスというと「経過を見るだけでしょう?」と軽く考えがちですが、インプラントにおいては、重要な意味を持ちます。
まず、インプラントは人工歯根、アバットメント(連結装置)、上部構造(人工歯)の3つからなり、長く使い続けていく中でさまざまなトラブルが起こり得ます。
具体的には、人工歯が欠ける、アバットメントが緩む、人工歯根の周りに炎症が起こるなどが挙げられ、こうしたトラブルは早期に発見・対処すればインプラントの寿命を縮めるようなことにはなりません。
次に、インプラントのメンテナンスでは、セルフケアでは清掃できない場所までクリーニングが可能であったり、正しいブラッシング方法を学んだりすることができます。
それでもなおインプラントに大きなトラブルが起こったとしても、定期的なメンテナンスを受けていれば保証の対象となり、その際に必要となる処置を無償で受けられることもあります。
※保証の内容は歯科医院によってさまざまです。
【ポイント2】正しいセルフケアを継続する
インプラントは、天然歯よりも汚れがたまりやすい部分があり、インプラント周囲炎という歯周疾患のリスクも高くなっていることから、正しいセルフケアを毎日行うことが重要となります。
ちなみにインプラント周囲炎は、インプラントが寿命を迎える主な原因ともなっているため、しっかりと予防しなければなりません。
【ポイント3】喫煙は控えるのがおすすめ
喫煙習慣は、インプラントの寿命を縮める要因のひとつです。タバコの煙に含まれるニコチンや一酸化炭素は、インプラントを支える歯周組織への栄養素・酸素・免疫細胞の供給を滞らせるからです。
そのためインプラント治療を受けた方は、原則として禁煙することがおすすめです。喫煙を続けている限り、インプラントの寿命が短くなることを把握しておきましょう。
【ポイント4】歯ぎしり・食いしばりの除去
現代人によく見られる歯ぎしり・食いしばりは、インプラントおよび顎の骨に過剰な負担をかけます。
その結果、チタン製の人工歯根と顎骨との結合が失われたり、上部構造が割れたりするなどして、インプラントが寿命を迎えることもあります。そんな歯ぎしり・食いしばりは、早期に改善するのが望ましいです。
▼まとめ
今回は、インプラントの寿命と長持ちさせるためのポイントについて、愛知県の日進かぐやまデンタルクリニックが解説しました。
インプラントの平均的な寿命は10~15年程度と言われています。本文でもご紹介したポイントに留意して、20年、30年と使い続けられるようにしていきたいですね。特にセルフケアを徹底することと、歯科医院でのメンテナンスを定期的に受けることは必ず継続していきましょう。