歯医者を怖がる子どもが苦手を克服するために家庭と医院で進めるステップ|日進市の歯医者|日進かぐやまデンタル

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歯医者を怖がる子どもが苦手を克服するために家庭と医院で進めるステップ

歯医者を怖がる子どもが苦手を克服するために家庭と医院で進めるステップ

目次

家庭だけで判断せず、怖がる理由と口の状態から進め方を考える


歯科医院をこわがるお子様が苦手を乗りこえるには、「慣れるまで待つか、すぐ治療するか」をおうちだけで決めないことが基本です。こわがる理由やこれまでの受診のようすを医院へ伝え、お口の状態とあわせて進め方を相談します。この記事では、予約の前に伝えたいことや、おうちでの声かけの順番、途中で終わった日のつなぎ方をまとめます。


この記事の要点まとめ


  • こわがる理由やこれまでの受診のようすを歯科医院へ伝え、お口の状態を確かめて進め方を相談します。
  • おうちでは短い説明やごっこ遊びで受診の流れを伝え、できたところを認めます。
  • 診療が途中で終わったときも、できたことや難しかったことを伝え合い、次の受診につなげます。

歯医者を怖がる子どもは、慣れるまで待つべき?すぐ治療すべき?


お子様の怖がり方だけで「慣れるまで待つか、すぐ治療するか」を決めず、痛みの有無とお口の状態を確かめてから歯科医院と一緒に進め方を決めます。幼児期から学童期にかけて歯科への恐怖や不安を抱くお子様は一定の割合でみられ12、決して単なるわがままではありません。


器具の音、先の見えなさ、前回の経験で怖がり方は変わる


なぜ歯科医院を怖いと感じるのかというと、年齢やこれまでのむし歯の経験、初めての受診かどうかといった要因が関わるためです12。お口の中は感覚が敏感なため、大人には気にならない刺激でも強い不快感として記憶に残ることがあります。


掃除機のような大きな機械音が苦手、初めての場所でこれから何をされるのか見通しが立たない、前回お口を開けられずに帰宅したなど、怖さのきっかけはお子様ごとに異なります。まずは保護者の方が「何に反応していたか」を振り返っておくことが、歯科医院へ相談する際の大切な材料になります。


慣らし方の相談とともに、むし歯の状態を確認する


練習を優先するか処置を急ぐかは、実際にお口の中を調べてから判断します。当院では、レーザーを当ててむし歯の進行度合いを数値で確認するダイアグノデントという機器を導入しています。痛みが無く、小さなお子様にも使える機器です。


一方で、むし歯の処置では、進み具合や部位によって、器具が触れるときに違和感や痛みが出ることがあり、感じ方には個人差があります。慣れるまでに何回か通院が必要になることもあります。


数値だけで治療方針が決まるわけではありませんが、現在の状態を把握する目安になります。乳歯のむし歯は永久歯の歯並びとも関わるほか、一度削った歯は元に戻りません。そのため一般的には、早めにお口の状態を確認し、慣らし方とあわせて進め方を相談します。


痛み・腫れ・食べにくさがあるときは、慣らしを待たずに相談を


おうちで心の準備ができるのを待たず、早めに歯科医院へ連絡したほうがよいサインもあります。次のような様子がみられるときは、練習を待たずに、いつ受診するかをご相談ください。


  • 歯の痛みを訴える、または歯ぐきや頬が腫れている
  • 食事のときに片側だけで噛む、硬いものを嫌がる
  • 仕上げみがきで同じ場所ばかり強く拒否する
  • 園や学校の歯科健診でむし歯の疑いを指摘された

症状がある場合は、当日の処置が必要かどうかも含めて歯科医師が確認します。


なお、治療後の注意点として、むし歯を治療したあと、その歯がしみやすくなる知覚過敏が起こることがあります。歯を削ることで神経が痛みを感じやすくなったり、治療の方法によっては噛んだときに痛むようになったりすることもあります3。


予約の前に、歯科医院へ何を伝えておけばよい?


予約の段階では、「お子様がこわがる理由」「前回の受診でできなかったこと」「保護者の方が通える条件」の3つを歯科医院へ伝えます。おうちでの準備を受診の条件にするのではなく、医院での検査や提案につなげるために伝えるものと考えてください。


怖がる理由と通院の事情を伝え、口の状態に応じた進め方を相談する


当院は「何でも相談しやすい歯科医院」を目指し、お悩みをていねいにうかがったうえで、設備を使った検査を行い、ご希望や暮らし方に合わせて治療の計画をご提案しています。予約のときには、大きな音や初めての場所などこわさのきっかけ、前回の受診のようす、通える曜日や時間帯、付き添えるご家族のようすをメモしてお伝えください。お口の状態に合わせた進め方を組み立てやすくなります。


口を開けられない経験も、予約時に相談してよい


「お口を開けられるようになってから予約しよう」と、ご家庭だけで練習を抱え込む必要はありません。当院では、予防ケアやシーラント、フッ素塗布とあわせて、歯科受診を怖がるお子様についての相談を受け付けています。前回泣いてしまって診療チェアに座れなかったといった経緯も、そのまま予約時にお伝えください。


下の子の同伴や通院できる時間帯も予約前に整理する


きょうだいを連れて何度も通えるかという点も、事前に整理しておきたい項目です。当院は電話とWEB予約に対応し、10台分の駐車場、車椅子やベビーカーで利用できるバリアフリー設計、待ち時間に使えるキッズスペース、おむつ交換台を備えています。名古屋市方面へ通勤されるご家族と分担して付き添う場合なども含め、無理なく通える時間帯を予約前に確認しておくと計画が立てやすくなります。


家庭での準備や声かけは、何をどの順番で進めればよい?

家庭での準備や声かけは、何をどの順番で進めればよい?

家庭での準備は、「何をするかを短く伝える」「ごっこ遊びで合図を練習する」「家族で言葉をそろえる」の順番で進め、できたかどうかを受診の合格条件にはしないことが大切です。小児の歯科診療では、手順を説明して見せてから行う、できた行動をほめるといった関わり方が基本とされています。家庭での準備は、その流れを先取りする役割を持ちます。


年齢や理解の程度に合わせて、何をするかを短く正直に伝える


受診の前の説明は、お子様の年齢や、どこまでわかるかに合わせて長さを変えます。当院では、まず受診前に「歯医者さんに歯とお口を見てもらうよ」と短く伝えるようお勧めしています。


2〜3歳ごろなら「お口の中を鏡で見て、歯を数えるよ」のように一つの場面だけを短く伝え、4〜6歳ごろなら「待合室で待って、いすに座ってお口を見てもらうよ」と順番やかかる時間の見通しも含めて話します。小学生くらいになったら、受診する理由や予定を伝え、お子様が気になることを聞いてあげてください。


絵本や写真、動画で受診の流れを見たり、ご家族が歯みがきをする姿を見せたりするのも一つの方法です。ただし、年齢よりもお子様の理解や反応に合わせることが大切であり、事前に伝える内容は歯科医院で確認した当日の予定と食い違わないようにそろえておきます。


ごっこ遊びは「口を開ける・数える・止めて」の合図を練習する


ごっこ遊びでは、ぬいぐるみやご家族を相手に「あーんと開けて10秒数える」「苦しくなったら手を挙げて止めてもらう」といった合図を練習します。自分のペースを乱されることに緊張しやすいお子様でも、休む合図を知っておくと見通しが持ちやすくなります。


当院でご家庭での歯医者さんごっこをご案内する際は、ぬいぐるみや保護者がお口を開けるお手本を見せてから、お子様も試す順番をお勧めしています。2〜3歳ごろまでは、膝に座る、少しお口を開けるだけでも十分です。4〜5歳ごろは、歯医者さん役を交代しながら歯を数えてみるとよいでしょう。


機械の音が苦手なお子様には、電動歯ブラシなど身近な音を少し聞いてみる程度にとどめ、家庭で完全に慣らしきろうとしないよう注意が必要です。嫌がるときは無理に続けず短時間で終え、「お口を開けられたね」とできたことを伝えます。練習ができなくても受診して問題ありません。遊びの中で嫌がった動きがあれば、それも歯科医院へ伝える情報になります。


「何もしないから」「泣かないで」は避け、家族で声かけをそろえる


「何もしないから」など実際と異なることを伝えて連れて行くことや、泣いたときに叱って頑張らせることは、受診後の不信感や抵抗の強まりにつながることがあります。ここでいう無理強いしないとは、お子様の怖さを否定せず、だまさず、できた範囲を認めて区切ることです。パートナーや祖父母とも、次のように声かけをそろえておきましょう。


避けたい声かけ家族でそろえたい言い換え例
「何もしないから行こう」「今日は歯を数えてもらう日だよ」
「泣かないで、もうお兄ちゃんでしょ」「音がびっくりしたね、教えてくれてありがとう」
「頑張ればすぐ終わるよ」「椅子に座るところまでできたね、今日はここまでにしよう」

当院では、以前に「何もしないよ」と伝えて受診し、怖い経験になったお子様のご家族には、まず「何もしないって言ったのに違ったね。ごめんね。怖かったね」と気持ちを受け止めるようお伝えしています。そのうえで、次の受診前は「歯とお口を見てもらうよ。その後に何をするかは、先生に聞いて一緒に確認しようね」と分かっていることを短く伝え、「見るだけ」など確かでない約束は控えるようにします。


当日は「怖いことは先生に伝えようね。つらいときの合図も一緒に決めよう」と声をかけます。以前の経験は予約時に医院へ伝え、説明の仕方や合図への対応を相談しておくとよいでしょう。泣いても責めず、終わったら「怖いって伝えられたね」など、できたことを具体的に認めてあげることが大切です。


ポイント

家庭でうまく練習できなかったとしても、どこで立ち止まったかを歯科医院へ伝えれば、当日の関わり方を考える手がかりになります。


当日うまくいかなかったら、次の受診はどう進めればよい?


当日に泣いてしまって診療が途中で終わっても、何が怖かったかとどこまでできたかを歯科医院と共有し、次回の進め方を相談します。1回の受診で処置まで進まなくても、確認できた範囲をもとに次の段階を組み立てることができます。


何をするのか分からない怖さは、説明方法も含めて相談する


手順を説明し、器具を見せてから進める流れはお子様の不安軽減に関わります4。当院ではプライバシーに配慮した完全個室の診療室とカウンセリングルーム、専用オペ室を設け、各診療チェアには説明用の大型モニターを設置しています。見通しの立たなさが怖いお子様には、モニター等を使いながらどのように説明を進めるかも含めてご相談いただけます。


初回にどこまで進めるかと、音や付き添いへの対応は事前に確かめる


はじめての受診でお口を見るだけにするか、器具にさわる練習をするか、処置まで行うかは、症状やお口の状態、お子様の様子によって決め方が変わります。また、削る器具の音への配慮や、保護者の方が診療室へ一緒に入れるかといった方針も、医療機関ごとにちがいます。予約のときや受診のときに確かめておくと、当日の流れを想定しやすくなります。


診療が途中で終わったときは、できたことと難しかったことを次回へつなぐ


当院では歯科衛生士の担当制をとっており、同じ患者様のお口のようすや症状の変わり方を、続けて見ていく体制にしています。途中で終わった日も、「診療室に入れた」「鏡でお口を見られた」などできたことと、むずかしかったことを伝え合い、次回の進め方につなげます。


ご家庭でも当日の様子を簡単にメモしておき、次回の予約間隔やお子様が眠くなりにくい時間帯を歯科医院と相談してください。慣れるまで待つか迷う段階でも、まずは現在のお口の状態とこれまでの経緯をお知らせください。


よくある質問(FAQ)


Q. 歯科治療の恐怖症や、慣れるための受診は保険適用されますか?


A. はじめての診察や2回目からの診察、必要な検査、むし歯の治療は公的な医療保険の対象で、市町村の子どもの医療費の助成が使えることもあります。慣れるための通院も、歯科医師がお口を診る診察をともなうときは、保険の対象になることが多いです。一方で、むし歯がないときに予防のために行うフッ素塗布などは、保険がきかずすべて自分で払う自由診療になることがあり、1回あたり1,000円〜数千円程度と紹介されることがあります。


これは一般的な相場で、当院の費用ではありません。実際の費用や保険が使える範囲は、医療機関や処置の内容によって変わるため、診察のうえでお伝えします。


Q. 歯科医院で「5,000円以上払うルール」があると聞いたのですが、子どもの受診でも関係ありますか?


A. 紹介状を持たずに大きな病院(特定機能病院や、一定の大きさ以上の地域医療支援病院など)をはじめて受診したときの、特別な料金(選定療養費)のことと考えられます。この料金は、ふだんの診療費とは別に数千円以上かかります。地域の一般的な歯科医院を受診するときは、この制度による追加の負担はかかりません。


Q. 保護者自身が10年以上歯科医院に行っておらず怖いのですが、子どもと一緒に相談できますか?


A. 大人の方でも、過去の痛みの記憶や機械の音から歯科受診に強い緊張を抱え、長期間受診を控えているケースは珍しくありません。保護者の方が診察を受ける姿を先にお子様に見せることで、お子様が診療室の雰囲気を知るきっかけになることもあります。ご自身の痛みや不安への配慮も含め、予約時にあわせてご相談ください。


参考文献


1. Sun IG, Chu CH, Lo ECM et al. Global prevalence of early childhood dental fear and anxiety: A systematic review and meta-analysis. Journal of dentistry. 2024. PMID: 38246307 / DOI: 10.1016/j.jdent.2024.104841

2. Grisolia BM, Dos Santos APP, Dhyppolito IM et al. Prevalence of dental anxiety in children and adolescents globally: A systematic review with meta-analyses. International journal of paediatric dentistry. 2021. PMID: 33245591 / DOI: 10.1111/ipd.12712

3. 知覚過敏 – 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020. https://www.jda.or.jp/park/trouble/index12.html

4. Gizani S, Seremidi K, Katsouli K et al. Basic behavioral management techniques in pediatric dentistry: A systematic review and meta-analysis. Journal of dentistry. 2022. PMID: 36152953 / DOI: 10.1016/j.jdent.2022.104303


松田 康宏

歯科医師


日進かぐやまデンタルクリニック

院長

松田 康宏

▶ 監修者プロフィール

経歴
日進市立北小学校卒業
日進市立日進中学校卒業
名古屋市立名東高校卒業
東北大学歯学部卒業
名古屋大学医学部附属病院
歯科口腔外科、麻酔科にて研修
いな歯科クリニック、あまファースト歯科勤務
資格・所属学会
日本口腔外科学会
日本口腔インプラント学会
日本歯周病学会
日本顎咬合学会