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症状のない銀歯を白く替える前に整理したい判断の目安
銀歯を白くする方法には、条件つきで使える保険の治療と、素材を広く選べる自費の治療があり、残っている歯の量や噛み合わせによって選べるものが変わります。不具合のない銀歯を外すときは歯を削り直すこともあるため、見た目だけでなく歯を残すという見かたからも考えていきましょう。この記事では、詰め物と被せ物で保険が使える条件や費用の考え方、割れたときの対策、目立つ歯から少しずつ治していく進め方をまとめます。
この記事の要点まとめ
- 保険で使える白い素材は、歯の位置や噛み合わせなどに条件があり、見た目のための交換は自費の治療が基本です。
- 素材によって歯を削る量が変わり、銀歯の下のむし歯や食いしばりも治療の進め方にかかわります。
- 不具合のない銀歯はそのまま様子を見ることもでき、気になる歯から少しずつ治す方法もあります。
銀歯を白くしたいときの素材選び|保険適用の条件は詰め物と被せ物で異なる
銀歯を白くかえるときは、その歯が一部をうめる詰め物(インレー)か、歯全体をおおう被せ物(クラウン)かで、選べる素材が変わります。また、見た目を白くしたいという理由だけでは、ふつうは公的医療保険が使えず、自由診療(自費診療)で考えることになります。
保険で選べる白い素材|コンポジットレジンとCAD/CAM冠・インレーの適用範囲
銀歯の劣化や二次むし歯などにより作り直しが必要と診断された場合は、保険診療で白い素材を選べることがあります。範囲が小さいむし歯には、歯科用のプラスチックを直接詰めるコンポジットレジンが使われ、奥歯に詰めたレジンがどのくらい長持ちするかは多くの研究で調べられています。
中程度の詰め物や被せ物には、ハイブリッドレジン(歯科用の強化プラスチック)のブロックを機械で削り出すCAD/CAMインレーやCAD/CAM冠が検討されます。CAD/CAM冠は、前から4・5番目の小臼歯で使えます。下の前から6番目の歯も、上下左右のいちばん奥の歯(前から7番目)がそろって噛み合わせが支えられ、強すぎる力がかからないときなどに使えるとされてきました1。
その後も改定が重ねられ、上の前から6番目の歯なども条件つきで対象に加わっています。条件は歯の位置や金属アレルギーがあるかなどで変わるため、ご自身の歯が当てはまるかは診察で確かめます。
過去の治療で変色したプラスチックの歯も、状態に応じてこれらの素材や自費の素材へ替える相談が可能です。
自費で選べるセラミック・ジルコニア・e-maxの特徴
自費診療(公的医療保険が適用されない診療)では、保険のような歯の位置による制限はなく、見た目と機能性を両立しやすい素材を選べます。ただし、残っている歯の量や噛み合わせ、歯ぎしりがあるかによって、素材ごとに向き不向きがあります。金属を使わない治療(メタルフリー)は、金属アレルギーへの配慮や歯ぐきの変色を防ぐ観点からも検討される方法です。
透明感や色調の再現性に配慮されたオールセラミックや、ガラス系セラミックで天然の歯に近い硬さを持つe-maxは、周囲の歯と色を合わせやすい特徴があります。一方、強度の高いセラミックの一種であるジルコニアは割れにくく、食いしばりがある方の奥歯にも選ばれやすい素材です。このほか、セラミックと樹脂を混ぜたハイブリッドセラミックや、金属のフレームに陶材を焼き付けるメタルボンドなどもあります。
素材ごとの違いを一覧表で整理
詰め物と被せ物が複数ある場合、すべての歯を同じ素材にする必要はなく、歯の位置や噛む力に合わせて素材を分けることができます。
| 素材の種類 | 保険/自費 | 詰め物/被せ物 | 見た目・変色のしにくさ | 割れにくさ(強度) | 通院回数・治療期間の目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| コンポジットレジン | 保険(条件あり) | 小さな詰め物 | 経年で変色しやすい | 強い力には不向き | 1〜2回(約1〜2週間) |
| CAD/CAMインレー・冠 | 保険(条件あり) | 詰め物・被せ物 | 徐々に着色・摩耗する | セラミックより劣る | 2〜3回(約2週間〜1ヵ月) |
| e-max・オールセラミック | 自費 | 詰め物・被せ物 | 透明感があり変色しにくい | 中程度〜高い | 2〜3回(約2週間〜1ヵ月) |
| ジルコニア | 自費 | 詰め物・被せ物 | 白さの調整幅はやや限られる | 高い(奥歯向き) | 2〜3回(約2週間〜1ヵ月) |
自費のセラミックやジルコニアの治療は、型取りから歯に付けるまでの通院が2〜3回、期間は2週間〜1ヵ月ほどが目安です。むし歯の処置や根管治療、土台の作り直しが加わると、通う回数や期間が増えることがあります。一般的な費用の相場として、保険のCAD/CAM素材は3割負担で数千円〜1万円台ほど、自費のセラミックやジルコニアは1本あたり5万〜18万円程度と紹介されることがあります。
ただし、これらは一般的な相場であり当院の費用ではありません。当院の費用は診察のうえでご案内します。実際の費用は医療機関によって違うため、診察や検査、銀歯を外す処置、むし歯の治療、土台、仮歯、型取り、付けた後の調整が、示された料金に入っているかを前もって医院で確かめてください。
ポイント
詰め物と被せ物では保険適用の条件や向いている素材が異なるため、歯の位置と噛む力を踏まえて1本ずつ検討することが大切です。
銀歯を交換するときの注意点|歯を削る量・むし歯・食いしばりによる破損

銀歯を白い素材へ交換する際は、処置に伴う歯への影響や装着後の破損リスクを事前に把握しておくことが欠かせません。処置のあとに冷たいものがしみたり、噛んだときに違和感が出たり、詰め物や被せ物が欠けたり外れたりすることがあります。
白い素材に替えると削る量が増えることがある理由
金属である銀歯は薄くても割れにくい性質がありますが、セラミックやCAD/CAMで使われるハイブリッドレジンは、噛む力に耐えるために一定の厚みが必要です。そのため、銀歯を外して白い素材へ替えるときは、厚みを出すために歯を削る量が多くなることがあります。
一度けずったり抜けたりした歯はもとに戻らないため、残っている歯の量をよく見きわめることが大切です。もとの銀歯が大きかったときは、白い詰め物では強さが足りず、歯全体をおおう被せ物に治療の予定が変わることもあります。当院では、見える範囲を大きくする拡大鏡などを使い、できるだけ患者様の歯を残すことを大切にしています。
外してみたら銀歯の下にむし歯があった場合の治療の変わり方
痛みがない銀歯でも、外してみると接着剤の劣化によるすき間から二次むし歯が進んでいるケースは珍しくありません。むし歯が見つかった場合はその除去が優先されるため、当初の想定より治療範囲が広がり、通院回数や費用が追加になることがあります。
むし歯が深く進んで歯の神経(歯髄)まで届いたときは、神経を取る治療が必要です。その場合の多くは、土台を立ててから被せ物をすることになります2。
当院では、歯の表面や溝のむし歯の進み具合を数字で示すダイアグノデントや、歯科用CTなどを備えています。ただし、ダイアグノデントでは銀歯の下は測れないため、銀歯の下の状態は外してから見るか、レントゲンなどの画像で確かめるのが一般的です。なお、処置のあとに痛みや腫れが出ても、前に出されて残っている抗菌薬を自分の判断で飲むのはやめ、受診して歯科医師に相談してください。
食いしばりがある方は要注意|保険の白い歯が割れた・外れたときの対応
仕事中の集中時や就寝中に食いしばり・歯ぎしりの癖があると、奥歯に強い負担がかかり、保険のCAD/CAM冠やセラミックが割れたり外れたりする原因になります。特に保険の白い素材はプラスチックを含むため、強い力がかかり続けると摩耗や破折が起きやすい点に注意が必要です。
破損を防ぐには、奥歯には強度に配慮されたジルコニアなどを検討するほか、就寝時に装着するマウスピース(ナイトガード)で力を分散させる対策が取られます。もし白い歯が割れたり外れたりしたときは、市販の接着剤で自分で付け直すと噛み合わせがずれてむし歯や歯の破折につながるため、外れたものは保管して早めに受診してください。再製作の費用や保証の扱いは状況や医院の規定により異なるため、治療前に確認しておくと落ち着いて対応できます。
ポイント
白い素材は厚みを確保するために歯を削る場合があり、銀歯の下のむし歯や食いしばりの力によって治療計画や素材選びが変わります。
交換するか・いつ替えるかの判断基準|症状のない銀歯は段階的な治療も選べる
すべての銀歯を今すぐかえる必要はなく、歯がどのくらいもつかと見た目の希望をあわせて考え、時期を選べます。歯をそのまま残すか、手を加えるかは、歯のつくりやまわりの状態をあわせて見て決めます。
交換を急がなくてよい銀歯と、熱いものがしみるなど受診したいサイン
レントゲンや診査で銀歯と歯の間にすき間がなく、二次むし歯も見当たらない場合は、健康な歯を削るリスクを避けるために交換せず経過を見るのも選択肢のひとつです。古い銀歯であっても、適合が保たれていれば無理に外す必要はありません。
一方、次のようなサインがある場合は内部でトラブルが進んでいる可能性があるため、早めの受診が勧められます。
- 熱いものがしみる・ズキズキする:神経に炎症が起きている可能性があるサイン
- フロスが引っかかる・段差がある:銀歯の変形や接着剤の劣化が疑われる状態
- 銀歯の周りの歯ぐきや歯が黒ずんでいる:金属イオンの溶け出しやむし歯の兆候
複数の銀歯を一度に替えなくてもよい|目立つ歯から進める段階的な治療
気になる銀歯が複数あっても、一度にすべてを治療する必要はありません。まずは笑ったときに口元から見えやすい小臼歯や、詰め物の劣化が始まっている歯から優先して白くし、残りの歯は定期検診で様子を見ながら段階的に進める方法があります。
時期を分けることで1回あたりの家計への負担や通院の時間を分散でき、1本目の経過を見てから次の素材を決めることも可能です。当院では、まず患者様が抱えるお悩みや不安に真摯に向き合い、ご希望やライフスタイルに合わせた治療計画をご提案いたします。
名古屋市への通勤と両立しやすい通院計画と受診前の確認事項
名古屋市への通勤や毎日のお子様の送り迎えと両立しながら通うには、治療全体の回数と期間の見通しを先に立てておくことが大切です。銀歯の交換は型取りから歯に付けるまで何回か通う必要があるため、はじめての受診で次の点を確かめておくと予定が立てやすくなります。
- 希望する歯が保険の白い素材の条件に当てはまるか
- 口腔内スキャナーによる光学印象と従来の粘土のような型取りのどちらに対応しているか
- 見積もりに土台や仮歯などの関連処置が含まれているか、また治療後の保証や定期メンテナンスの条件はどうなっているか
当院では駐車場を10台分ご用意し、電話に加えてWEB予約にも対応しています。また、プライバシーに配慮した完全個室の診察室やカウンセリングルームを備え、各チェアの大型モニターとモリタ社のトリニティーコアを活用して治療内容を丁寧にご説明いたします。
保険の白い素材が向く人・セラミックが向く人
最後に、どの選択肢がご自身の希望に近いかを整理します。保険の白い素材(コンポジットレジン・CAD/CAM冠など)は、適用条件に当てはまる歯であり、まずは費用を抑えて金属の見た目をなくしたい方に向いています。
一方、自費のセラミックやジルコニアは、長期間にわたる変色のしにくさや自然な透明感を重視する方、食いしばりがあり割れにくい素材を選びたい方に検討の価値があります。どちらが良いか迷われる場合や、まずは削らずに済むかを知りたい場合は、現状を確認いたしますのでお気軽にご相談ください。
よくある質問
Q. 銀歯を白くしたい場合、保険は適用されますか?
A. むし歯がまたできた、詰め物が傷んだなど、治療のために作り直しが必要なときは、条件を満たせば保険で白い素材(コンポジットレジンやCAD/CAM冠・インレー)を選べることがあります。今の制度では歯の位置や噛み合わせの状態に決まりがあり、見た目だけのための交換は自費の治療になります。
Q. 銀歯から白い歯に替えるにはどうしたらいいですか?
A. まずは歯科医院でレントゲン撮影などの検査を受け、銀歯の下にむし歯がないか、残っている歯の量がどのくらいあるかを確認します。そのうえで、小さな範囲ならレジンを詰める処置、型取りが必要な範囲ならCAD/CAM素材やセラミックの詰め物・被せ物を製作して装着する流れで進めます。
Q. 古い銀歯は痛みがなくても交換したほうが良いですか?
A. 古い銀歯でも、歯との間にすき間がなく内部にむし歯もなければ、無理に外さず経過を見る選択肢もあります。ただし、長年使用した銀歯は接着剤が劣化して気づかないうちに二次むし歯が進んでいることもあるため、熱いものがしみる、フロスが引っかかるといった変化があれば早めに検査を受けることをおすすめします。
Q. 保険適用の白い歯が割れたときはどうすればいいですか?
A. 割れたかけらや外れた被せ物は捨てずに入れ物にしまっておき、早めに歯科医院にかかってください。市販の接着剤でご自分で戻すと、噛み合わせがずれて歯をいためることがあります。食いしばりで割れたときは、噛み合わせの調整やマウスピースを使うこと、より割れにくい素材にかえることも含めて、歯科医師にご相談ください。
参考文献
1. ・「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」等の一部改正について(◆平成29年11月30日保医発第1130001号). https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc3050&dataType=1&pageNo=1
2. むし歯の治療の流れ | 生活習慣病などの情報(e-ヘルスネット) | 健康日本21アクション支援システム Webサイト. https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-02-004.html
3. Chen J, Cai H, Suo L et al. A systematic review of the survival and complication rates of inlay-retained fixed dental prostheses. Journal of dentistry. 2017. PMID: 28212978 / DOI: 10.1016/j.jdent.2017.02.006
日進市立日進中学校卒業
名古屋市立名東高校卒業
東北大学歯学部卒業
名古屋大学医学部附属病院
歯科口腔外科、麻酔科にて研修
いな歯科クリニック、あまファースト歯科勤務
日本口腔インプラント学会
日本歯周病学会
日本顎咬合学会
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