乳歯が永久歯よりもむし歯なりやすいことをご存知ですか?
実際、子どもは大人よりもむし歯になることが多く、その本数も多い点に気づかれている保護者の方も少なくないことでしょう。ところが、なぜ乳歯が永久歯よりむし歯になりやすいのか、また、むし歯になりやすい場所については、あまり知らない方が多いようです。
そこで今回は、乳歯がむし歯になりやすい理由と、むし歯が発生しやすい場所について、愛知県の日進かぐやまデンタルクリニックが詳しく解説をします。
目次
▼乳歯がむし歯になりやすい4つの理由
乳歯が永久歯よりもむし歯になりやすい理由としては、以下の4つが挙げられます。
【理由1】エナメル質が未成熟
乳歯がむし歯になりやすい第一の理由は、エナメル質の成熟度の低さです。私たちの歯の表面はエナメル質で覆われており、その点は乳歯と永久歯で共通していますが、成熟度には大きな違いが見られます。
乳歯は永久歯よりもエナメル質の成熟度が低く、軟らかいのです。それはむし歯菌が作り出す「酸」で溶けやすいことを意味するため、むし歯の発症リスクも高くなっているのです。
【理由2】一人みがきを習得できていない
乳歯というのは、生後6~8ヵ月くらいから生え始めて、3歳前後で生えそろいます。その後は、6歳くらいから永久歯への生え変わりが始まるのですが、乳幼児期から学童期にかけては、まだ一人みがきを習得できておらず、磨き残しが多くなる点に注意が必要です。
その期間中は、保護者の方が仕上げみがきをしっかりと行い、歯科医院での定期的なクリーニングを受けることで、むし歯リスクを軽減できます。
【理由3】ダラダラと食事をすることが多い
幼児期は、間食の時間や回数が不規則になりやすいだけでなく、ダラダラ食べをする子どもも多いことから、お口の中が汚れている時間も長くなります。その結果、お口の中の細菌の活動が活発になり、むし歯を発症してしまうのです。
【理由4】甘いものが好き
子どもは、甘いお菓子やスイーツ、ジュースなどが大好きです。
これらはむし歯の病原菌となるミュータンス菌の大好物である、砂糖(スクロース)が豊富に使われていることから、むし歯リスクも高まります。
▼乳歯がむし歯になりやすい場所
続いては、乳歯がむし歯になりやすい場所を確認していきましょう。
【場所1】上の前歯と前歯の間
乳歯列期は、上の前歯と前歯の間に隙間が生じることが多く、食べかすや歯垢が溜まりやすくなっています。また、この場所は唾液による自浄作用が働きにくい点にも注意が必要です。
哺乳瓶でミルクを長い期間与えている場合も、むし歯リスクが高くなる場所として有名です。これを専門的には「哺乳瓶う蝕」といいます。
【場所2】奥歯と奥歯の間
奥歯と奥歯の間は、鏡での確認が難しく、歯ブラシでも磨きにくいことから、乳歯がむし歯になりやすくなっています。こうした場所は、幼児期であってもデンタルフロスでフロッシングすることが必要となります。
【場所3】奥歯の溝
奥歯の噛む部分にある溝を「小窩裂溝(しょうかれっこう)」といいます。この場所は汚れがたまりやすく、乳歯がむし歯になりやすい場所なので、保護者の方は十分に注意を払うようにしてください。
歯科医院に相談すると、シーラントという方法で、奥歯の溝を予防的に埋める処置が受けられます。
【場所4】乳歯と歯ぐきの境目
歯と歯ぐきの境目は、年齢に関わらず磨き残しが多くなる場所です。とくに子どもは、乳歯と歯ぐきとの境目付近を歯ブラシでみがくことに抵抗を覚えやすいことから、大人以上に汚れが溜まりやすくなります。
もちろん、歯ぐきを傷めるような方法で歯みがきするのはよくありませんが、やわらかめの歯ブラシを使って、丁寧にゆっくりとみがくことで、お子様の苦手意識も徐々に減らしていくことが可能となります。
そうした正しいひとり磨きや仕上げみがきの方法は、歯科医院のブラッシング指導でも学ぶことができます。
▼乳幼児から定期検診を受けましょう!
このように、乳歯はいくつかの理由から永久歯よりもむし歯になりやすいです。また、乳歯がむし歯になりやすい場所はある程度決まっているので、しっかりとした対策を講じれば、むし歯菌から守ることができます。その際、重要となるのが乳幼児期からの定期検診・メンテナンスです。
理想的には、最初の乳歯が生えてきた時や、乳歯列が完成する3歳前後から歯医者さんに通い始めることで、乳歯のむし歯を効率良く予防しやすくなります。
愛知県の日進かぐやまデンタルクリニックでは、乳幼児期のブラッシング指導はもちろん、乳歯を強くするフッ素塗布や奥歯のむし歯リスクを減らすシーラント充填などにも対応しておりますので、お子様の乳歯のむし歯予防を徹底したいという方は、お気軽に当院までご相談ください。